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主に社会問題について法律的に考えてみる。など。
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新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
今年は、多くの人が昨年よりも良き日々を過ごせますよう、心から願っています。



1.平成23年1月1日付朝刊【筆洗】

「各地で大雪になるなど、日本列島が荒れ模様の中での、二〇一一年の幕開けです。厳しい寒さの中でも、早咲きの梅はほころび始めています。春遠からじです

▼今年の干支(えと)は卯(う)。虎のように鋭い牙もなければ、牛のような硬い角もありません。従順な小さな動物ですが、猛獣に食べられないために、とても強い「武器」を持っています

▼それは長い耳。野ウサギは眠っている時でも、遠くで落ち葉がかすれる音やカエルがはう動きに反応するほど鋭敏な聴覚を持っています

▼かすかな音が教える変化の兆しをキャッチし、やがて押し寄せる変革の波に備える-。このデフレ時代に生きる私たちに、ウサギの耳こそが必要な武器かもしれません

▼政治が頼りないのは近年変わりありませんが、心配なのは若者の元気のなさです。文部科学省によると、〇八年の日本人留学生の数は前年より約11%、約八千人も減ってしまいました

▼未知の外国に飛び込んで力を磨くことよりも、三年生の時からスタートする就職活動を優先せざるを得ない事情のようです。昨今の就職事情がそれだけ厳しいことの証左でもありますが、学生たちをここまで内向きの思考に追いやる社会に未来はあるのでしょうか

▼ウサギには強靱(きょうじん)な後ろ脚があります。大地を蹴り上げ、脱兎(だっと)の勢いで、青年が日本の社会を揺さぶってほしい。そう念願する年頭です。」



2.どうにも最近の日本人は、「かすかな音が教える変化の兆しをキャッチ」し、自ら判断する力に欠けているのではと感じます。怒涛のような報道につい流されて判断している世論のように。

例えば、人気歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴打され全治2ヶ月の重傷を負ったとされる事件は、六本木のあの界隈は“特殊な人種”が集まっている場所で、そこで起きた酔っ払い同士の喧嘩にすぎない点を、鋭敏に感じている方はどれほどいたのでしょうか。

例えば、いわゆる「小沢問題」もその1つです。小沢一郎氏を排除すれば、政治不信がなくなりすべての政治問題が解決するかのような報道は、かつて、郵政民営化となればすべての政治問題が解決するかのように報道したあの「狂気じみた過去」と全く同じです。マスコミは、あえて重要な政治問題をわきに置いて、1年中、常軌を逸したような小沢潰しの政治的狂乱状態を生じさせていることに、どこまで鋭敏に感じているのでしょうか。


もちろん、マスコミだけが悪いのではなく、日本という社会に蔓延する宗教、「世間様教」にも一因があります。

世間様教

 かねがね痛感するのは日本という社会に蔓延(まんえん)する宗教、名付けて「世間様教」の猛威だ。

 一人ひとりが集団の意向に沿うことに汲々(きゅうきゅう)とする予定調和の世界。そこから外れると罰せられる社会。戸籍制度にしがみついて「健全家族」の幻想を維持するのも宗旨の一部。その無理から生じるのが人嫌いやひきこもりで、そこからはい出そうとする別の無理が空転すると薬物乱用、過食症など依存症が発生する。

 私に求められているのは彼らの治療だが、私は彼らを病人とも人格が偏っているとも考えない。彼らは「考え違い」をしているだけだ。世間を気にしすぎて能力や魅力に欠けた自分を責めたり、絶望したりしている。……

 以上、最後はお説教になった。長年のご愛読を感謝いたします。(精神科医)」(平成22年12月29日付朝刊「本音のコラム 斉藤学(さいとう・まなぶ)」


小沢一郎氏はなぜか分からないが、日本社会では異質のようです。しかし、小沢氏とその弁護人が主張しているような、権力分立制、刑事被告人に対する憲法上の権利規定の数々、政治倫理審査会の趣旨など、述べていることは実に「真っ当な法律論」です。そうした「真っ当な法律論」が単なる「小沢憎しの感情論」で無視されてしまっている現状は、まさに世間様教の猛威の現れです。

企業・団体献金については、民主党及び小沢氏が自粛させていたのに、それに反して、岡田克也幹事長と菅直人は、平成22年11月26日、企業献金を再開させることを決定しています。政治資金の透明化について、否定的な行動をいま確実に行っているのは、むしろ菅直人と岡田氏なのです。小沢氏一人を排除することで馬鹿な国民の目を逸らし、制度的に収賄罪的な行動をこっそり行おうとしているのは、菅直人と岡田氏であるのですから、なぜ菅直人と岡田氏に怒りをぶつけないのか、不思議でなりません。

政治資金の透明化は、制度や政策という国全体の問題なのですから、小沢氏一人を国会に招致して問い質しても何等の解決にもならないし、全く無意味であるばかりか、権力分立制上有害でさえあることに、ちょっと考えれば誰でもわかるはずです。「一人を悪者にして、肝心な世の中の仕組みや政策やそういうものが全然改革されないで終わ……る」のでは意味がないのです(「来栖宥子★午後のアダージォ」さんの「「菅原文太「日本人の底力」 ゲスト小沢一郎:百術は一誠に如かず」(2010-12-27)参照)。

マスコミの「悪意に満ちた報道」に流されることなく、世間様教の猛威に抗して、むしろ反対する少数意見という「かすかな音」にこそ、「キャッチ」していく意識を持っていくべきではないかと思います。



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【2011/01/01 12:22】 | 論評
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